海に戻らないコンテナたち:なぜベルリンの卸売業者は倉庫を借りる代わりにコンテナを購入するのか
ベルリン最大のアジア系卸売市場の駐車場には、数百ものコンテナが並んでいる。放置されているわけではない。これらは意図的に設置され、倉庫スペースを借りるよりも安価な代替手段として活用されている。
重要なポイント
- ベルリン最大のアジア系卸売市場であるDong Xuan Centerの駐車場には、数百ものコンテナが常設されている。これらは二度と海に戻ることはない。
- 放置されているわけではない。卸売業者たちは、追加の倉庫スペースを借りるよりも安価な代替手段として、意図的にこれらを購入している。
- 中古のドライコンテナは€1,500~€3,000の一括購入で10~15年の耐用年数がある。同じ金額で倉庫を借りると、12~18ヶ月で元が取れてしまう計算だ。
- 一度購入すれば、毎月の支払いも大家も契約更新も不要。しかも防水性とセキュリティは確保されており、現地に設置するための許可も必要ない。
- 40ftドライコンテナ(長さ約12m、幅2.3m、高さ2.4m)は20ftコンテナの約2倍の容量を持つ。しかし、これらのコンテナが倉庫として使われているということは、本来の貨物輸送で稼げる収益を放棄していることにもなる。これが見過ごされがちな機会損失だ。
グーグルマップで見つけた奇妙な光景
『Cargo BTS』の第3回は、現地ではなくグーグルマップから始まった。ベルリン最大のアジア系卸売市場であるDong Xuan Centerを衛星写真で眺めていたところ、駐車場に何かがおかしいことに気づいた。そこには数十個のコンテナが並んでいた。動いている様子も、積み下ろしされている様子もない。ただそこに置かれているだけだった。その理由を確かめるため、現地に足を運ぶことにした。
Dong Xuan Center:ベルリン最大のアジア系卸売市場
Dong Xuan Centerは、ベルリンにある大規模な卸売・小売複合施設で、電子機器から繊維製品まであらゆる商品が取り扱われている。しかし、施設内のスペースは限られており、ベルリンの商業不動産相場と同様、賃料も高い。この「室内スペースの狭さ」と「高い賃料」という組み合わせが、駐車場の光景を生み出す理由だった。
海に戻らない数百のコンテナ
現地には文字通り数百ものコンテナが設置されている。最初は廃棄されたり放置されたりしたコンテナの保管場かと思ったが、実際はその逆だった。これらは今も現役の資産であり、本来の用途とは異なる形で活躍している。一度到着し、荷下ろしを終えた後は、二度とここを離れることはない。
本当の理由:単純な経済性
中古のコンテナは、一括購入で€1,500~€3,000程度。耐用年数は10~15年だ。一方、ベルリンで同等の倉庫スペースを借りると、12~18ヶ月で購入費用を上回る金額を支払うことになる。しかも、賃貸の場合は契約終了時に何も残らない。
購入vs賃貸:卸売業者が行うコスト計算
Dong Xuan Centerの卸売業者にとって、その計算は明快だ。コンテナを一度購入し、駐車場に設置すれば、その後は半永久的に倉庫として使える。毎月の支払いも大家も契約更新も不要。コンテナは元々防水性とセキュリティが確保されており、新たな建物を建てるような許可も必要ない。
40ftドライコンテナの内部
現地に設置されているコンテナの一つは、40ftのドライコンテナだ。これは一般貨物用に設計された汎用コンテナで、高さ約2.4m、幅2.3m、長さ約12m。一括購入でこれだけの広さと安全性を確保できるのは、非常に合理的な選択だ。
20ft vs 40ft:半分の長さ、半分の容量
40ftコンテナの隣には、20ftコンテナも並んでいる。見た目通り、長さも容量も40ftの約半分だ。Dong Xuan Centerでは両方のサイズが混在しているが、これは卸売業者が必要な在庫量に応じてコンテナのサイズを選んでいることを示している。単に安いからという理由で選んでいるわけではないのだ。
見過ごされがちな機会損失
もう一つの視点も重要だ。コンテナは本来、適切に積み込めば数十万ユーロ相当の貨物を一度に運べる。しかし、これら数百ものコンテナが駐車場で倉庫として使われているということは、本来の輸送業務で得られるはずの収益を放棄していることになる。表面上はコスト削減策に見えるが、実は大きな機会損失が潜んでいるのだ。